「船橋よみうり」
2021.5.22掲載
街の「はなしききや」
坂本純子さん:傾聴活動5年
芝山3の坂本純子さん(82)は、5年前から船橋市内で傾聴活動を続けている。
「はなしききや」と名乗り、毎月第2・4水曜日の午後、勤労市民センター1階の喫茶コーナーで、人の話に耳を傾けてきた。
これまでに訪ねてきた人は延べ100人に上がるという。
「話を聴くことで地域の人たちの役に立ちたい」。
6年前傾聴ボランティア員養成講座を受講し、個人宅を訪問する形で傾聴活動を始めた。
訪問と並行し、喫茶コーナーで知人らの話を聴いていた。やがて、ロビーにいた高校生と言葉をかわすなど「ここを出たらもうお互いが分からない。知らない人だから話せることがある」と、見知らぬ人の話も聴くようになった。
「傾聴とは、自分を信じて整え、相手を信じ、相手と同じ立場で同じ景色を見つめること」。
ある時、職場の人間関係に悩んでいるという女性がやってきた。
話を聴くうち、坂本さんはその内容が職場ではなく、家庭内の出来事だと悟った。
「つらいわね、それは」と言葉を掛けると、女性は涙し、「逃げずに夫と話し合います」と言い、帰って行った。
「話に来ても恥ずかしくて取り繕う。それでもいいけど、ええかっこしなくていいよ」と。
「心のマンホールに閉じ込めた思いを一緒に見つけたい」と坂本さん。
「答えはその人の中にある。生きているから色々あるが、元気になって欲しい」
13時から15時半:予約可
℡080-3122-9879 坂本さん